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おばん魔女のホ-ム。

少年は窓から外を見る。


遠くに建物が見える。


汽車が大きく揺れる。


「駅に着くよ~。」


「あたしはこの駅で降りるよ。」


少年は窓から外を見る。

駅のホ-ムに多くの人影が見える。


「今日はめずらしく乗客が多いね~。」


汽車が気笛を鳴らし減速しホ-ムに入って行く。



「ほらっ!すごい人だよ。」


大きな荷物をを持った人々が目に映る。



汽車が音を立てて止まる。


「さぁ~。着いたよ。」


老女は立ち上がり大きな鳥籠とカパンを持つ。



「あたしはここで降りるよ。」



「あの~。」


「なんだい?」


「ありがとう。」


「あんたは気をつけてお行き~。」


老女はドアに向かって歩き始めた。



少年は老女の持っている鳥籠を見る。


「あっ!あれは?」




まじょ まじょ~。





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TOMIKO NAKAGAWA










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おばん魔女の鉄橋。

汽車は長いトンネルを抜ける。

目の前に鉄橋が見える。

汽車は気笛を鳴らし鉄橋を走る。



「ここから眺める景色は最高だね~。」



「ほらっ!あそこをごらん。」



老女は窓から遠くに見える島をゆび指す。


「あの島のずっと先に夢の駅があると聞いたがね..。」



老女は腕時計を見る。


「そろそろ駅に着く頃だね。」


汽車が気笛を鳴らし揺れる。



まじょ まじょ~。





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TOMIKO NAKAGAWA














おばん魔女のクッキ-。

「僕はハウスの前からこの汽車に乗ったんだ。」


「ぶどう畑の横のハウスかい?」


「おばさん知っているの?」


「あ~ぁ。良く知っているとも。」


「僕はそのハウスに泊ったんだ。」


「そうかい。」


「あのハウスにお客なんて珍しいね。」


「道に迷ったんだ。」

「そうかい。」


「あのあたりは夜になると風が強くなり」


「道に迷いこんだら戻れなくなるだよ。」


「あんたは運がいいね。」


「あのハウスの住人は100年前に引っ越しして来たんだよ。」



「彼女の母親は賢くて美人だったね。」


「おばさん知っているの?」

「このあたりじゃ~。」


「彼女の母親を知らない者はいないね。」



「へぇ~。」


少年は窓の外を見る。


目の前に海が見える。


遠くに島が見える。


「彼女の母親は魔女界の女王と言われ」


「賢くて美人で誰もが憧れ]


「薬草の知識は誰よりも優れていたんだよ」


「ある時...。]


「若返りの薬草を見つけ出し」



「永遠に生きる命の薬を生みだしたのさ」


「だが...。」


「それを妬み、陥れようとたくらんだある魔女が」


「そのレシピを盗もうとした。」


「それで...?」


「魔女の戦いが始まったんだよ。」



「どうしたの?」

「戦いに勝ったが。]


「どこかへ行ってしまったと聞いたが...。」


「その後彼女を見た者はいないんだよ。」


「あのハウスに住む彼女の娘は母親に良く似て賢くて」



「薬草の知識は母親ゆずりだね。」



老女はカパンを開ける。


カパンの中から紙包を取りだす。


「あんた食べるかい?」


「あたしが今朝焼いたクッキ-だよ。」



紙包を開きテ-ブルの上に置く。



少年はクッキ-を一つ手に取り口に入れる。



「おいしいだろう?」


老女が顔を少年に近づけギョロとした目でみつめる。



「あんたいい目をしているね~。」


老女が顔を離し窓の外を見る。


「そろそろ駅に着く頃だね」


「あんたこの汽車の終着駅を知っているかい?」



「どこ?」


「夢の駅だよ。」



「その駅に降りると...。」


「夢を叶えるハウスがあると聞いたが?」



「あたしはまだ一度も行ったことはないがね..。」



汽車がトンネルに入る。


まじょ まじょ~。





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